ボストンマラソン

CATEGORY | 日記
POSTED | 2018/03/19
東京マラソンに出場した友達がFBに投稿していたが、AIで人物を判断してレース中の写真を送ってくるそうだ。
カメラマンで食ってる人はたまったもんじゃない。そんなにいいかねAI。

実は私もマラソンを走ったことがある。それも一年間に三回も。

極端だとよく人に言われる。

まあ、23歳のピチピチの頃だからそれくらいしてもよか。大学を卒業し、一年間アメリカの自閉症の子供達の学校で働いてた私は完全に自分の道を失っていた。 役者となった今では想像もつかないが、大学の四年間本気でメディカルスクールに行こうとしていた。メディカルスクールというのは医学部。つまり医者だ。

学費を出してくれた親には悪いが、今から冷静に思い返すと本気で医者になろうと思っていたかというと、そうではない。でも本気でメディカルスクールに行こうとは考えていた。

この微妙な違いはですね、甲子園を目指す高校球児が全員プロ野球選手になるわけではないのと似ている。あ?似てないか...。まあ、青春とは曖昧なものなのである。

自閉症の子供達の学校の話はまた今度にするが、手っ取り早く話すと、大学の競争社会の中で盲目的に勉強ばかりしていた私は、卒業してから何をやるのかちゃんと考えずに突っ走ってしまっていたのだ。

色んな事をすっ飛ばして大人になってしまった自分を悔いた。

「まあしょうがない、マラソンでも走るか。」

ボストンマラソンがあるじゃないか。

何かを変える必要があった。毎日走った。

その頃、セミプロの地元のポルトガル人のサッカーチームに所属していた私は、走るのは嫌いでも何とか走れた。
走らないと貧乏ゆすりみたいに足がガタガタ震えてくる位走った。アル中みたいな感じ。走ることばかり考えていた。



ボストンマラソン当日の朝、その頃アメリカにいた妹が出発点まで車で送ってくれた。レースはボストンの郊外から始まり、ゴールは市内で一番高いプルデンシャルタワーの麓で終わる。奇しくも数年前に爆破事件があったあそこだ。

ボストンマラソンの良いところは沢山あるが、その一つは何と言ってもスタート地点からゴールが見えるという事だ。42.195キロ離れているが、遠くからでもプルデンシャルタワーは見える。

「あそこに行けば良いんだ」自分に言い聞かせながら走った。

ボストンマラソンは市民マラソンの母でもあり、沿道にはスタート地点からゴールまで途切れる事なく地元の人が応援に立つ。
自家製のレモネードを配ってくれたり、自宅の庭でミニコンサートを開いてくれている人もいたり、ウェズリーカレッジという
ヒラリー・クリントン出身の女子校の前を通る時なんかは、ランナー達に提供するものを持たないアメリカの苦学生達が
自分たちのTシャツを捲くしあげて、ランナーにおっぱいを見せ「フォーーーー!!」って雄叫びをあげ盛り上がっていた。

ウェズリーカレッジは偏差値も高い学校なので、もしかしたら地元のヤンキーが紛れ込んでいたのかもしれない。

レースの最大の盛り上がりは何と言っても「心臓破りの坂」だ。

英語で何と言うかというと

「Heart Break Hill」

そのままやないかい。



その坂が遠くから見えてくると、何だか青いTシャツを来た人たちが沿道にズラーっと並んでいる。
何だろなと思いながら走り進んで行くと、彼らは皆、片手にベルを持ってそれを打ち鳴らしているのが分かった。
「うるさいよ」と遠くの方から思っていたが、

そんな彼らの作った「ベルのトンネル」を走り過ぎた時、感動で泣きそうになってしまった。

と言うのも、そこを通過するほんの10秒ほどの間、ベルの音で自分の息も聞こえないような状態になるのだ。全身が
ベルのバイブレーションに包まれる。初めて体験する不思議で心地よい感覚だった。

ゴールまであともう少しと言うこのハートブレイクヒルで、背中を押してくれる風が吹いた気がした。最後まで走れる。 誰がこんな素敵なことをするのだろう、さすが歴史あるボストンマラソン。「ベルのトンネル」を抜けるときに横目で 彼らの来ているブルーのTシャツのロゴを見た。

「Reebok」


企業の宣伝かい。

Reebokの宣伝部に勇気をもらった私はそのまま走り続け、4時間丁度のタイムでゴールした。
右足の爪は剥がれ、腿も膝もガタガタだったが、自分は何でもできる気がした。仕事も目標もないが、頑張ろうと思った、

まだ23歳だし。

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